エアロパーツについての知識・リアスポイラーとリアウイング

2017/01/27
エアロパーツについての知識・リアスポイラーとリアウイング
ウイング、スポイラーと言ったエアロパーツ。
自動車に付いているとカッコイイですし、スポーツカーならばほぼ例外なく付いています。
でも、実際飾りと言われる事もあるエアロパーツ。
サーキットでなければ効果がないとも言われますが、これらエアロパーツには効果があるのでしょうか。


リアウイング、リアスポイラーについて。
リアウイングは通常車両後端に取り付けられます。
レースカーにはほとんど常識のように取り付けられていますが、それだけ効果が期待できるパーツなのです。


リアウイングを装着したインプレッサ


期待できる効果としては、
1.空気抵抗の低減
2.ダウンフォースの増加
このふたつが挙げられます。


空気抵抗低減
特に空気抵抗の低減効果は速度が上がれば上がるだけ効果が大きくなります。
自動車が走行すると車体後方に空気の渦(カルマン渦)が発生します。
このカルマン渦はいわゆる空気抵抗のひとつで、断崖絶壁になっている車両後端で最も発生しやすいのです。

リアウイング、リアスポイラーはこの渦を遠くへ飛ばすために付いています。
抵抗物となるカルマン渦はモノに触れなければ抵抗にならないので、それがボディの遠くで発生すれば空気抵抗を減らすことが出来ます。

コストにうるさいトヨタの量産車プリウスが標準であれほど大きなリアスポイラーを付けているのは、飾りではなく空気抵抗低減のためなのです。


ダウンフォースの発生
リアスポイラーについて
扇風機の前で下敷きを真横にし、そこから角度を付けてゆくと下敷きが持っていかれる力が発生します。
この原理で、リアスポイラーによって風を強制的に上向きに飛ばすことでその時下向きに発生する力(自動車ではダウンフォースと呼ぶ)により後輪を地面に押し付けるのが目的となります。
ただし下敷きを持って分かるとは思いますが、その分空気抵抗になります。


リアウイングについて
航空機の羽根を逆さに付けたような断面のウイングもあります。
こちらは航空力学を応用したもので、空気抵抗になりにくいのがメリットです。

スポイラーでも、ウイングでも、第一の目的である整流効果を果たしますので、どちらを装着していても効果はあります。
特にハッチバック車両は車体後方が断崖絶壁ですので発生するカルマン渦は大きく、リアスポイラーの効果が大きく出ます。


具体的な効果(メリット)
1.燃費向上、最高速度向上
走行抵抗の低減により燃費が向上し、最高速度も向上します。

2.ブレーキングの安定
後輪に対して荷重(ダウンフォース)がかかる事により、ブレーキングで車体が安定するようになります。

3.コーナリングの安定化
コーナリング中にリアタイヤのグリップが抜ける事を回避でき、スピンする可能性を下げる事ができます。

4.高速走行安定性の向上
高速走行中は車体が浮き上りやすい状況となりますが、リアタイヤのグリップが向上する事で高速走行中の車体挙動が安定します。


具体的な不具合(デメリット)
不適切なデザインのリアスポイラー、リアウイングを装着した場合も同じ。
1.デザインによっては空気抵抗になり、燃費が低下し最高速度が低下する。

2.基本的に追加パーツなので、数Kg車体重量が増える。

3.追加パーツとして装着する場合、費用が余計に必要となる。


という事でリアウイングは飾りではなく、きちんと効果を持つものなのです。

実際の効果
実際に装着して走行すると、街乗りでは全然分かりませんが高速道路走行時には車体の安定性が向上しています。
特に強風の中を走る場合に車体の安定性が段違いです。

スポーツ走行する時も高速コーナーでアンダーステア傾向になってアクセルを踏み込めます。
オーバーステアやスピンに困っているようでしたら、装着を一考しても良いかもしれません。
自動車関連コラム
01.リアスポイラーとウイング



戻る

INDEXへ