WINTER DRIVING(冬道運転のドライビングテクニック)
私は住んでいるところが新潟と言う関係上、どうしても冬季には雪道を走らなければいけない。
と、言う訳で防備禄も兼ねたスノードライビングテクニック。
このテクニックは3部構成で解説します。
1・道具の準備、基礎知識
2・自動車の準備、基礎知識
3・運転の準備、基礎知識



3・運転の基礎知識

雪道を運転する際、運転に気をつけるのはもちろんだが、それだけでは雪国のウインターシーズンを乗り切る事は出来ない。

ここでは、ウインタードライビングに必要なドライビングテクニックを紹介しよう。

1.車は滑るもの
準備編を読んでくれた方なら、きちんと全輪にスタッドレスタイヤを装着していますよね。
後輪駆動の方はトランクに砂袋も積んでトラクション(駆動)能力向上を図っているかと思います。

それでも乗用車は雪や氷の上では絶対に滑ります。
ラリーを走っている四輪駆動オフロードカーに乗っていようと、最新鋭スーパースポーツカーに乗っていようと、戦車に乗っていようとズルズル滑ります。
「滑ったらどうしよう」ではなく、「滑ったらどこへ飛んでゆくか」を考えながら走ること。
この考え方一つで走りは全然違うものになります。


2.ハンドリングはソフトに
日頃「ガッ」とハンドル操作をしている方は要注意。
じわりじわりとハンドルを切り込んでゆくことが肝心。
それじゃ曲がれないって?
それはスピード超過が原因。
きちんと減速すれば、思いのほか少ない舵角で曲がることができる。

良く雑誌などで「ライン取り」のようなものを紹介しているが・・・正直な話、乾燥路面でライン取りを意識していますか?
日ごろ意識していない方がいきなりやろうと思ったところで、上手く曲がれるはずもなくかえって危険。
それよりも、前走者が走ったタイヤ跡をなぞるのが効果的です。
そのラインが崖下やガードレールに向かっていない限り、少なくとも前走者は走り抜けることが出来たラインです。

前走者がいない道路を走ると言う場合、それはかなりの早朝か深夜の話になります。
そうなれば煽ってくるような命知らずはいないので、マイペースでノロノロ走りましょう。
雪道で急ぐ事を考えてはいけません。


3.ブレーキは倍の時間と倍の距離。
これも「ガッ」とブレーキを踏んでいる方は要注意。
最初は少しブレーキを踏み、ABSが効かない(ABS非装着の場合はロック)ギリギリの踏み込みで減速する。
踏み込みの力はいつもの半分程度で、倍の時間を掛けて止まることを考えよう。

ABSが発動(もしくはロック)したら、ちょいとブレーキを離しまたちょいと踏む。
いわゆるポンピングブレーキですが、これでかなり制動距離が短くなります。
ABSはブレーキを踏みながらハンドル操作が出来る装置であって、制動距離を縮める装置ではありません。
むしろABSが作動しっぱなしでは制動距離がかなり伸びます
ご注意を。


4.車間距離は過大なほど取る
車間距離は乾燥時の3倍は取りましょう。
車が3台から5台入るくらいの車間距離がベター。
(もちろん状況に応じてもっと距離を取っても良い)
乾燥路面と同じ車間距離で走っている場合、前走者がスパイクタイヤ(違法です)やタイヤチェーンを装着していた場合に追突してしまいます。
それ以外にも、前走者に接近していると急制動により車体が不安定になったりと良い事がありません。

それに信号で停止する場合にも、やはり車間距離は重要。
きちんと車間距離を取りましょう。


5.降雪時は昼間でもヘッドライトを付ける。
意外に皆さん実施していないのがヘッドライトの点灯。
点灯していない方は「私はちゃんと見えているよ」と思っているのでしょうが、残念な事に対向車から良く見えません。
あなたよりも視力の低い人もいますし、ワイパー不調(整備不良)ではっきりと見えない方もいるのです。
「対向車に自分を知らせる」目的で、ヘッドライトは点灯しましょう。
あなたを見えていない相手と正面衝突を起こし、寒い中で救助を待つなんて・・・これっぽっちも面白くありません。
しかしヘッドライト点灯と言えども、ハイビームは視界を遮ります。一度お試しあれ。

フォグライトを装備しているならそれも点灯。
ロービーム前照灯 + フォグライト点灯をしておけば夜間に吹雪に巻き込まれようと自分の足元をとりあえず確認できます。
この時のためにフォグライトがあるのです。
自身の乗用車に装備していない場合は装備を検討してみてください。
非常に役立ちますよ。

降雪時はリアフォグも点灯して後続車に自分の存在をアピールしましょう。
後続車が接近してきたらリアフォグの役目は終了なので、その時点で消灯です。
いつまで経っても点灯していると迷惑なだけです。

さらにヘッドライトの点灯でフロントとリアのポジションランプ(車幅灯)も点灯するので追突防止にもなります。
ヘッドライトは降雪時には安全のために点灯しましょう。


6.まずい!滑った!
滑った時は前輪が滑っているのか、後輪が滑っているのかを判断する必要があります。
・前輪が滑っている場合
前輪が滑る・・・つまり曲がれない場合は、アクセルを緩めつつ行きたい方向へ「ガッ」とハンドルを切ります。
アクセルを踏んでいないとそのまま曲がらず直進しますが、アクセルを踏み込みすぎるとスピンモードになります。要注意。
先ほど紹介した「ゆっくりハンドルを切る」は滑りにくいコーナリングのためなので、もはや滑っているこの状況では無視します。

ブレーキングはそのまま真っ直ぐしか進まないという最悪の選択になりますが、対向車がいなければそのままブレーキングして反対車線に飛び出して止まるという選択肢もアリです。
その場合は早急に本線へ復帰しましょう。

・後輪が滑っている場合
アクセルをほんの少し緩めます。
しかしアクセルを離してはいけません。
そしてハンドルをセンターに戻します。
それでも後輪の横滑りが止まらない場合は、行きたい方向へ向けてハンドルを切ります。(カウンターステアリング)
この操作が間に合わない場合、もしくはアクセルを抜いた場合はスピンしてしまいます。

・全輪が滑っている場合
速度超過の場合、こうなります。
滑る速度がゆるい場合はそのまま膨らみながら走り抜けるのがベターですが、滑る速度が速い場合はイチかバチかの賭けに出るのもアリ。
失敗したところで何もしない時と結末は同じ。
対向車か対向車線の雪壁に激突するだけです。

前輪駆動、四輪駆動の場合、行きたい方向へハンドルを切りアクセル踏み込む!
多少リアが振れますが、気にしてはいけません。

後輪駆動の場合、行きたい方向へ少し多めにハンドルを切り、アクセルを少し緩める。
アクセルを入れ過ぎても抜過ぎてもスピンするので注意。


いずれにしろ、雪道では自分と車を過信してはいけません。
絶対に滑る」と自分に言い聞かせながら走りましょう。
煽ってくるような命知らずは放っておけば勝手に追い越していきますし、いずれどこかに刺さっています。
相手にしてはいけません。


7.追い越しに関して
追い越しは絶対厳禁です。
いつも高速走行している方はノロノロ走行に不満を覚えるでしょうが、安全を最優先しましょう。
そのために時間に余裕を持つことが絶対条件。

路肩に停止している車両を追い越す時は、乾燥路面でギリギリ大丈夫と判断できる状況では確実に駄目です。
乾燥路面の2〜3倍の余裕を見て速やかに追い越しましょう。



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