
最近流行りのエコロジータイヤは、低燃費に寄与する転がり抵抗低減にばかり主眼が置かれて肝心のグリップや耐摩耗性能が非常に低いとの話を聞
きます
本当にエコロジータイヤはそんなに酷いのか?
という事で、噂は自分の体で確かめて見るのが一番。
今回はラベリング制度で最高評価のAAAaを取得している、トーヨータイヤ・ナノエナジーゼロを選択しました。
実はこのタイヤ、意図的に選ぶタイヤでは人生初のトーヨータイヤだったりします。
・ドライバビリティ

エコタイヤということで警戒していたぐにゃり感ですが、杞憂に終わりました。
むしろハンドリングに機敏に反応してくれるハンドリングタイヤと言って良いでしょう。
しかしながら直進安定性はあまり良くないです。
ハンドルを微調整する場面での入力受付が曖昧で、真っ直ぐ走らせるのが難しい。
ピレリならほんの数ミリ、いやミリも動いていない程度の入力にも機敏に反応してくれ、なおかつ過敏ではないので非常に楽なのですが…。
ダル過ぎてフラフラします。
せっかく燃費を稼げる高速道路走行で、肝心の直進安定性が低いというのは残念です。
高速ハンドリングに関してはとても良いです。
振り戻しもないし、切ったとおりにクルマが動く。
緊急回避性能は十二分ですね。
インフォメーション

このタイヤはインフォメーションが面白いんですよ。
あまりインフォメーションが無いように思えて、実はしっかりと伝わってくるんです。
塩味は薄いけど、ダシがきちんと効いている感じといえば分かるでしょうか。
ドライグリップ
「凄い」と一言。
これならスポーツタイヤは不要です。
時速100Kmからのフルブレーキでも、リアタイヤは浮き気味になるのでどうしてもABSが動きますがフロントタイヤはABSが動かないんで
すよ。
レブリミットでドン!とクラッチを繋いでもホイールスピンもほとんどしません。
これ、本当にエコタイヤ?
ウェットグリップ
まずは普通に走ってみると、きちんとインフォーメーションがありますねぇ〜。
ちょっと濡れただけで路面状況が不明になるアスペックとは雲泥の差。
さらにアスペックでは絶対に浮くような水たまりに突っ込んでみましたが、何事も無く通過。
きちんと接地感もあります。
道路のわだちに水が溜まっているような場所があるじゃないですか?
あんな状況でも、アスペックなら確実に浮くような深さでも普通に走っていきます。
四本溝の効果は絶大ですね。
5mmしか溝がないのにピレリに匹敵するハイドロ性能ですよ。
これは実に素晴らしい。
さらにウェットブレーキテスト。
80Km/hからのフルブレーキでは70Km/hくらいのところでABSが「ガガッ」と動いた程度で、あとは一気に停止。
60Km/hのフルブレーキではABSすら動きません。
これは凄いよ?
プロモーションビデオでヤラセに見えたグリップ性能は、実際ヤラセではなかったようです(当然?)
カタチだけの評価と思えたラベリングも、グリップの面ではきちんと機能しているようですね。
スタンダードタイヤとは思えないほど安心のウェットグリップ性能です。
こんなにグリップ性能が高ければ、多少摩耗が早くても納得しちゃいますよ。
快適性能
段差乗り越えなどは「ふわっ」と受け止め、非常に乗り心地が良いです。
ロードノイズも非常に静かですし、快適性はとても良いです。
静けさも一般道ではオーディオボリュームが7から8と非常に静かですし、高速道路を100Km/hで走行してもオーディオボリュームが9から
10です。
タイヤによっては一般道でも12とか行きますので、相当に静かですね。
総評
トーヨータイヤの本気を確かに見せてもらいました。
このタイヤはトーヨータイヤが本気で作ったスタンダードタイヤです。
燃費ラベリングも貼ってあるだけで実際には効果がないものとバカにしていましたが、カタログ燃費の104%である18.30Km/Lを達成
して4%の燃費向上も確かに確認できました。
満足度(100点満点)
・ドライバビリティ |
70 |
ハンドリングが楽しいタイヤですが、直進安定性が残念。 |
・グリップ |
95
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これならばスポーツタイヤは不要です。ウェットグリップも驚愕のレベル。普通の人が鳴かすことは無理でしょう。 |
・ノイズ |
95 |
コンフォートタイヤと言って申し分の無い快適性能です。 |
・トータル |
87
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非常に高性能なスタンダードタイヤです。 |
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