タイヤインプレッション
ランドセイル フォーシーズンズ 195/65R15 91H

今回は中国メーカータイヤのインプレッション。

車両はトヨタ・カローラフィールダー。
NZE144型の、四輪駆動ワゴンだ。


今回はこのようなインプレッション企画をしていることを知った知人が、タイヤのインプレッションを書いてほしいと私に寄贈してくれたもの。
正直中国メーカーのタイヤは自費で買うことはない。
なぜなら、このランドセイルタイヤも世界の超一流メーカーより高価だから、価格の安い一流メーカーを選ぶから。
半額程度なら手に取るかもしれないが、一流メーカーより高いのであればそもそも視界にすら入らない。
アジアンタイヤの位置付けも昔と変わったよね。

もうひとつ、皆さんが幻想を抱いているであろうことについて説明しておこう。
それはオールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤの代わりになると幻想だが、これはありえない。
スタッドレスタイヤでさえ冬は厳しいというのに、氷適性の無いオールシーズンタイヤなどサマータイヤと変わらない。
一応雪については使えないこともないが、対応しているのはアスファルト路面がうっすら見える程度の積雪。
具体的には最大3センチくらいの積雪にしか対応していない。
サマータイヤより若干マシといったところか。
凍結路面には無意味だ。


・ドライバビリティ
このタイヤを履いて走り出した第一印象は「軽い!」
車体がすっと前に出て、アクセルを踏み込めばスルスルと加速が伸びてゆく。
こんなに軽いタイヤは初めてかもしれない。

実際ホイールに組み込む際にも実物を触ってみたが、驚くほど軽かった。
タイヤ自体が軽いので走りも軽快なのか。

ハンドリングレスポンスは中立付近は少々鈍い感じ。
センターから1センチくらいハンドルを動かしてもレスポンスは薄いが、それ以上になるとクイックに反応してくれる。
その領域ではハンドル操作には俊敏に反応してくれ、車体がすっと向きを変えてくれる。
直進安定性と旋回性能の妥協点だろうか。

旋回中の挙動も自然で、ハンドルの切り足しにも素直に応じる。
本当に素直な運転感覚。

直進安定性は驚くほど優秀。
はっきり言って国産タイヤでもここまでの直進安定性を持つ銘柄は少ない。
ビシッとまっすぐと言うほどではないにしろ、きちんと直進しようとするので高速道路も楽々。


ただ、このタイヤ轍に弱い。
ハンドルが取られるんじゃなくて、ハンドルが取られる前にタイヤ一本分くらい平気で動く。
結果的にまっすぐは走っているけれど、こうも轍に弱いタイヤは初めて。

トラックがよく通る道の四本轍は結構な恐怖体験となる。


・ドライグリップ
ドライグリップに関しては非常に優秀。
峠道で多少速度が乗っても、多少急制動や急旋回を行っても、何事もなかったかのように応じる。
時速100キロからのフルブレーキングでも、ABSが多少動くもののググっと止まった。

旋回時の挙動は素直で、途中でラインがぶれることもない。

サーキットを走るほどではないにしても、日常走行シーンでこのタイヤのドライグリップに不安を感じることはない。


・ウェットグリップ
ウェットグリップも悪くはなく、ドライグリップの半分くらいはグリップしてくれる。
一般道を走るうえで不満は出ないであろうレベル。

雨が降るとロードインフォメーションがほぼ消えてしまい、緊張しながら走ることになる。
ドライ路面のように走ることはできないので、この辺は妥協しなければいけない。


・ハイドロ性能
195幅と狭いこともあるが、太い排水溝のおかげで雨に強い。
川のようになっている高速道路でも遠慮なく走れるのは頼もしい。

それだけに、濡れている路面でのインフォメーションが薄いのが残念。


・快適性能
乗り心地は非常によく、特に高速走行時の乗り心地はふわふわとして大変に良好。
段差などもふわりと受け止め、衝撃はあまりキャビンに伝わってこない。

ロードノイズは少し大きめで、スタンダードタイヤとしてもう少し静かだったら良いと感じる。
特に高速直進安定性が良好なだけに、高速走行時の静粛性が高いともっと好ポイントだった。

それでも高速直進安定性と乗り心地の良さから、長距離を走るユーザーには良いかもしれない。





総評
非常に軽快で乗り心地も良い、アジアンタイヤの印象を覆してくれるタイヤ。
しかしながらアジアンタイヤ本来の強みであった価格が超一流メーカーと比較できるほどに非常に高くなっており、強みが見つからないのが残念。
とはいえ、何らかの理由で買おうと思っているのであれば止めはしないレベルの製品に仕上がっている。


ペンタゴン7の満足度(100点満点)

・ドライバビリティ 70 軽快な走りが好印象。あとは雨のインフォメーションがあれば。
・グリップ 80 ウェット路面でも安心のグリップ。不安なく走れる。
・ノイズ 50 高速道路では声を張らなければいけない。スタンダードタイヤとしても少しうるさいレベル。
・トータル 70 強みは特にないが、弱みもない。選ぶなら推奨はしないけれど止めもしない、そんなタイヤ。
タイヤインプレッション一覧

ブリヂストンタイヤ
・エコピア NH100

・ポテンザRE71R

ダンロップタイヤ
・SP2030

・エナセーブ EC202

・ウインターマックスWM01


ヨコハマタイヤ
・ブルーアース AE01

・S76A

・A.Drive

・ヨコハマタイヤ アスペック
・ヨコハマタイヤ ブルーアースRV02

オートバックス
・マックスランエクセラ

・アイスエスポルテ


ピレリタイヤ
・チントゥラート P1 ヴェルデ

・チントゥラート P4FS

・パワジー

・ドラゴン

・チントゥラート P7


ミシュランタイヤ
・エナジーセイバープラス

・パイロットスポーツ4

・プライマシーHP

・プライマシー4

トーヨータイヤ
・Teo Plus

・ナノエナジーゼロ


グッドイヤー
・イーグル LS2000 Hyblid2


セイバーリング
・SL101


ミネルヴァ
・F205


ランドセイル
・フォーシーズン


スタッドレスタイヤ

・ピレリ アイスコントロール

・ピレリ アイスアシンメトリコ

・ミシュラン エックアイス XI-3

・ダヴァンティ ウィントゥーラプラス



戻る

INDEXへ